橋本健二編著『家族と格差の戦後史』

 新刊です。私にとっては、初の「編著」となります。編者が実際にはほとんど貢献していなさそうな本をよく見かけますが、これは文字通りの編著で、全7章中、私が3つの章を書いています。他の執筆者は、佐藤香さん、元治恵子さん、小暮修三さん、仁平典宏さんです。
 内容的には『「格差」の戦後史』の姉妹編で、とくに1965年(昭和40年といったほうがリアリティがあるかもしれませんね)の日本に焦点を当てて、その格差の構造や貧困、女性と家族の就業、戦争の爪痕、前近代的な階層構造の強固な残存などを分析しています。格差、戦後史に関心のある人はもちろん、1960年代と高度成長期に関心のある人もどうぞ。
 全体の構成は、次のとおり。

第1章 1965年の日本──社会的背景と問題の所在
第2章 激変する社会の多様な就業構造
第3章 三丁目の逆光/四丁目の夕闇
第4章 転換期における女性の就業
第5章 独身男の肖像
第6章 戦後社会における戦争の影響
第7章 社会階層における前近代と近代

家族と格差の戦後史―一九六〇年代日本のリアリティ (青弓社ライブラリー)

家族と格差の戦後史―一九六〇年代日本のリアリティ (青弓社ライブラリー)