2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧
著者は酒のマーケティングと酒文化の普及に、長年携わってきた人物。その経験と蓄積に加え、退職後の十数年を費やして資料・文献を渉猟し、まとめたのが本書である。全六二九ページ、目次だけでも一二ページという大冊だ。 記述は縄文期に始まり、万葉の時代…
著者は「激辛」グルメライターとして知られる人物。批判された料理店関係者が大勢で自宅に乗り込んできたり、家族への危害をほのめかして脅迫されたりしたこともあるという。その激辛ぶりは、「友里征耶の行っていい店わるい店」で知ることができる。とくに…
佐藤忠男の編著で、『日本のドキュメンタリー』という五巻本、さらに三枚組のDVDボックス三巻が、岩波書店から発行されることになったとのこと。本書は、その第一弾である。 佐藤忠男の概説は、予想通りの手堅い内容だし、吉岡忍と森まゆみの秀作紹介も、た…
著者は、キリンビールで開発研究所長、ビール工場長を歴任した人物。それだけに、ビール醸造の科学的側面について知り尽くしているのは当然だが、ビールの歴史やビール文化についての知識も相当なもので、実は本書も、半分以上は古代オリエントから始まるビ…
私が日本映画でいちばん嫌いなのは、女性のレイプシーン、そして女が男に理由もなくすべてを捧げるシーンである。評判のいい映画でも、こういうシーンがあると分かっている場合には、見る前に気が重くなる。こんな感覚を持つ人はいないのかと思っていたら、…
タイトルだけみると、最近注目のテーマを扱ったタイムリーな企画、とみえる。実際、そういう側面もあるのだが、ちょっと違う。実はこの本、社会階層論の教科書でもある。中心テーマとして若年非正規雇用を取り上げながら、社会階層の概念や理論、社会階層分…
太田和彦の居酒屋本といえば、執拗なまでにメニューを書き写したデータ完備のガイドブックと、紀行文風のエッセイ集が思い浮かぶが、本書はやや趣が違う。 取り上げられた五五店は、すべて右側に文章、左側に写真という二ページ構成でまとめられている。写真…