ヤナーチェク「シンフォニエッタ」

 このCDが売れているらしい。ジョージ・セル指揮/クリーブランド管弦楽団の演奏である。自称「日本ジョージ・セル協会事務局長」の私としては、たいへん喜ばしい。
 売れた原因は、村上春樹の新作に登場したこと。1990年にCD化されてから売れた総数が6000枚だったのに対して、わずか1週間でこれと同数の注文があったという。この小説は読んでいないし、書店で手に取ったこともないから、使われ方は分からないのだが、新聞記事によると「作品の冒頭から、頻出する」とのこと。
 曲想は雄渾でリズミカル。バレエ音楽的であり、たとえばハリウッドのアドベンチャー映画に使われてもおかしくない。演奏は、おそらくこれを越えるものは今後出てこないだろう。カップリングはバルトークの「管弦楽のための協奏曲」。一部省略されている個所があり、この点を不満にもつ人もいるだろうが、これも完璧な演奏である。

バルトーク : 管弦楽のための協奏曲 / ヤナーチェク : シンフォニエッタ

バルトーク : 管弦楽のための協奏曲 / ヤナーチェク : シンフォニエッタ