ブーレーズ/ウィーン・フィル マーラー交響曲第3番

 以前からバーンスタイン盤でときどき聴いてはいたが、いまひとつはっきり頭に入らないままだったのが、この曲。ところが、ザルツブルクウィーン・フィルの演奏を聴いて、すっかり好きになってしまった。それで何種類か買い求めて聴いていたのだが、結局のところ決定盤はこれだろう。
 演奏は、完璧の一語に尽きる。録音もよく、オーケストラが完璧に鳴りきっている。当たり前といえばそれまでだが、ザルツブルクで聴いた音とまったくといっていいほど同じだ。演奏の性格も、極めて似ている。おそらくは、ブーレーズが「ウィーン・フィルマーラー3番」というものの演奏スタイルを確立してしまい、他の指揮者が指揮してもよく似た演奏になってしまうのではないか。だとすれば、あの日の素晴らしい演奏の半分くらいは、ブーレーズの功績ということになるのかもしれない。
 ぜひ、SACDで聴くことをおすすめする。マーラーの曲に関しては、SACDで聴いてしまうとCDに戻る気がしない。なかなか普及しないのが残念である。
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