藤原新也『新版・東京漂流』(新潮社・1990年・621円)

必要があって、再々読。必読は、現実に起こった事件から題をとりつつ、この社会の随所にある階級的な侮蔑とルサンチマンを描き出し、これが通り魔事件を生み出すことを暗示した「偽作 深川通り魔殺人事件」という一文。今だからこそ、読まれなければならない本である。現在は改版されて、1260円になっているようだ。内容に変更があるかどうかは、確認していない。

新版 東京漂流 (新潮文庫)

新版 東京漂流 (新潮文庫)